前立腺ガンを乗り越えて

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ペルー  M・Mさん(72歳、男性)

〔前立腺ガンと診断される〕

 私は、2011年3月かかりつけのL病院の医師より、2010年12月と翌年1月に受けたPSA(前立腺特異抗原)検査(12月の検査数値は24.48ng/ml、1月の検査数値は25.73ng/ml)と、3月に受けた前立腺生検の検査結果により前立腺ガンと診断されました。
 2011年4月、改めてガン専門のM病院で検査していただきましたが、ここでも前立腺ガンと診断されました。時に激しい痛みや体の衰弱もあったことから、家族とも話し合い、M病院でガン治療を受けながら、岡田式健康法を取り入れて統合医療を進めているペルー療院にも通うことにしました。さらに療院から発行していただいた医師や栄養士や専任療法士から日常生活におけるアドバイスが書かれたサポートプランに基づいて、健康生活ネットワークで継続して浄化療法を受けていくことにしました。
 5月から8月まで最初の内分泌療法が始まりました。6月の時点でPSA検査の数値は0.458ng/mlにまで改善しましたが、さらなる改善を目指して治療を継続することになり、8月から11月中旬までの3ヶ月半、内分泌療法の継続と約40回にも及ぶ放射線治療を受けることになりました。
 治療中は嘔吐を繰り返すなど体が悲鳴を上げ、到底一人では耐えられない不安と苦しみがありました。
 さらに、それ以上に、死への恐怖、愛する家族との永遠の別れへの深い悲しみが、始終、私の心を締め付け、夜も眠れないほどでした。

〔家族と健康生活ネットワークの支援で日々を感謝の気持ちで過ごす〕

 その間、自宅で家族やネットワークのみなさんが、入れ替わり立ち替わり、昼夜を問わず毎日、浄化療法を施術してくれました。また、ともに岡田茂吉先生の本を学ぶなど、私に寄り添ってくれました。
 中でも、私にとって大きな救いは、「我と執着」の論文との出合いでした。日々襲ってくる死への不安と恐怖の中で、「取り越し苦労、過ぎ越し苦労はするな」との文章にふれたとき、「死ばかり考えるな」と考えを改めました。残された今をどう生きるのかをもっと真剣に考えよう、そのためにも、まず今の自分を、もう一度見つめてみようと素直に思えました。そして残された時間、悔いの残らない生活を送ろうという気持ちへと切り替わっていきました。
 そうすると、日々、愛する家族やすばらしい療院の医師や療法士のみなさんに囲まれていることがどれだけ幸せなことなのか、感謝の思いがわき起こってきました。
 私は以前から療院の療法士のボランティアをしてきましたが、ガンの告知後は、妻や周囲の方々に支えられながら、来院者への施術や健康増進セミナーの受入れなどに、一層の生きがいを感じながら行なうようになりました。
 また、生活の中で、何気ない毎日の家族との会話や食事の時のふれあいなど、今まで当たり前にしていたことを大切にするように心がけていきました。妻も私を常に気づかってくれ、可能な限り農薬や化学肥料を使用しないで栽培する自然農法の野菜を使って食事を作るなど、できることを精一杯してくれました。

〔医師から前立腺ガンの消失を告げられる〕

 2011年11月中旬に治療が終了し、改めてPSA検査を受けたところ数値は0.03ng/mlにまで改善していました。そして、医師より、耳を疑うような診断を告げられました。「Mさん、あなたのガンが消えていますよ」と。
 その瞬間、私は”信じられない”という思いとともに、言葉では表現できない喜びが湧き上がりました。
 その後、2012年2月、6月、10月にもPSA検査を受けましたが、すべて数値は0.03ng/mlであり、10月には「現在、その病状の根拠は見当たらない」との主治医の診断となりました。

〔健康増進員として健康増進セミナーを開催する〕

 こうした体験を通して”何としても病に悩める多くの方々の力になりたい”と、この岡田式健康法を社会に広めていくことが、これからの自分の使命ではないかと強く感じるようになりました。
 おりしも、ペルー国厚生省とMOAは、2007年から協力関係がはじまり、肥満児童に対する岡田式健康法による効果に関する研究などを経て、協力協定を結び、国家資格「健康増進員」資格制度の下、国民の健康増進運動を共に進めておりました。
 一度は死を覚悟した私ですが、社会的信用度の高いペルー国厚生省認可の国家資格である健康増進員の資格を取り、それを最大限に活かして、岡田式健康法をペルー全土に拡げていくことを決意しました。
 現在、私は、健康増進員資格を取得した他のメンバー、スタッフとともに行政からの依頼を受けて、リマ地区の最貧困地域に入り、健康増進運動の一環として、「健康と幸福の集い」という名称で、健康増進セミナーに取り組んでいます。
 2012年10月20日、市民を対象に浄化療法をはじめ芸術や食を楽しむ「健康と幸福の集い」を開催しました。講演は「市民の安全生活」というテーマで、前内務大臣のM氏が引き受けてくださいました。新聞社にも広報していただき、80名近くの参加者で賑わいました。厚生省との協定の下にあるということで、地域の人々が安心と信頼を寄せてくれます。
 地域の保健センターに勤務する医師や看護師も一緒にセミナーに取り組む中、岡田式健康法、中でも浄化療法に興味を示され、資格を取る方々が増えています。

〔健康増進員にMOAセミナーをおこなう〕

 厚生省健康増進局との協定に基づく、健康増進員へのMOAセミナーとして9月3日から隔週で6回の講座が行われました。講座の参加者は、主催者と面談を行い、講座の願いと内容を理解し、セミナーに参加されています。リマ市内の健康増進員は500名おられますが、より大勢の方に参加していだだくことを願っています。参加した方々の反響を一部取り上げてみます。
 (a) F.Dさん:この講座を受講できたことをとても喜んでいます。私は、身体全体が、すぐに浮腫み、疲れやすい体質なのですが、浄化療法を学び、家庭で毎日、自己施術を学んだとおり実践すると、だんだん浮腫まないようになってきました。このセミナーは、療法士の先輩のみなさんが、親切にしてくれるので、いつも安心して、緊張しないで受講できるので楽しみにしています。
 (b) R.Rさん:私は、朝起きるといつも身体中が痛くてつらいのですが、学んだ通り、自己施術をすることによって、今では、痛みが大変楽になってきました。そして、先日、私の娘が、元気がなかったので、早速施術をしてあげたところ、ぐっすり眠ってしまい、朝起きたときには、とても元気になっていました。浄化療法って素晴らしいですね。
 (c) D.Gさん:先日、背中と腰が痛くて、立っていられないほどで、痛み止めを飲んだのですが、痛みは治まりませんでした。しかし、自己施術を続けるうちに、楽になりました。それ以来、薬は飲んでいません。これまで孫もだけないぐらい痛かったのが、孫をだけるようになりました。
 (d) R.Oさん:私は、背骨がずれているようで、カイロプラクティックに通っていたのですが、なかなか、良くなりませんでした。今回、この講座を受けて、療院で、一月半の間に数回受けると共に自己施術することによって、杖をついて歩いていたのが、今では、杖なしに歩けるようになりました。
 今後は、厚生省と共にある健康増進運動として、岡田式健康法の実践者のネットワーク化、地域行政との連携を図り、浄化療法を継続して行う方法を目指していきたいと考えています。

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