心臓神経症をきっかけに、人のためにつくす生き方へと変わる

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東京都  H・Mさん(48歳、女性)

〔岡田式健康法を継続する中で、心の病と娘の湿疹が回復へ向かう〕

 私は、今でこそ元気に楽しい毎日を過ごせるようになっていますが、平成7年9月に3人目の子どもを死産し、大きなショックを受け、つらい日々を送っていました。当時、長男は小学校の1年生で、長女は年長の園児でした。私だけでなく、夫も子どもたちも大変苦しみました。
 10月には、夫の転勤のために東京から大阪へ引っ越しました。私は慣れない土地で知り合いが一人もいなく、疲れ果てていました。頭痛や不眠、めまい、生理不順などで家事をすることさえままなりませんでした。そこで、内科クリニックで医師の診察を受けたところ、心臓神経症*1であることがわかりました。
 その後、娘は全身に湿疹が出て、通園できない日が続きました。夫は国内外の出張が多く、私はどうしたら良いかわからず途方に暮れていました。
 そのような中で、11月、ご近所で「子ども山月」というお花の教室を開講されているMOAのメンバーのSさんが声をかけ、ご自宅に招いてくださいました。それがきっかけで、私はSさん宅で岡田式健康法浄化療法を受け、娘と一緒にお茶やお花を楽しむ時間を過ごすようになりました。お花を見ていると何ともいえない安心感に包まれ、気持ちが穏やかになりました。そして、お花をいけているとその美しさが心に染みわたり、感動を覚えました。
 また、私は家族の健康を考え、Sさんの勧めもあり、この機会に食生活も見直すことにし、お米や野菜、調味料など、すべて自然農法の農産物やMOAの食品に切り替えました。娘は「野菜がとてもおいしい」と、以前よりたくさん食べるようになりました。
 週に何回かSさん宅に通ううちに、私の症状は次第に改善していきました。娘の湿疹もだんだん良くなり、2年ほどかかりましたが、きれいに治癒しました。
 私は、このような体験をとおして、相手の方から悩みごとの相談を受けると、いつも自分のことのように感じて、”何とか良くなってほしい”と願って、岡田式健康法をはじめ、自分にできることを心がけてきました。その中で、こちらから心を開いてお話しすることで、相手の方も率直に話してくださることが多く、ありのままの自分でいることに努めてきました。
 
*1 心臓神経症:胸痛、動悸、息切れ、呼吸困難、めまいなど、心臓病によくみられる症状を示しているにもかかわらず、心臓を検査しても何も異常が見つからないものを、心臓神経症といいます。

〔長男の同級生のお母さんとの出会い〕

 平成10年3月、私たち家族は大阪から東京に戻りました。
 平成16年4月、私の長男(Y)が高校に入学し、保護者会で同級生のお母さんのAさん(50代)と一緒になりました。息子同士も仲良くなり、長男はAさん宅へ遊びに行くようになり、「Y君がうちに来てくれると、家庭の雰囲気がふわっとなごやかになる」と、喜ばれました。
 平成19年5月、Aさんにわが家に来てもらうことになりました。当日、玄関やリビングに心をこめてお花をいけ、Aさんにお茶を点ててお出しすると、とても喜ばれました。その後で、岡田式健康法の話をし、浄化療法を施術しました。パンフレットを見せて、東京療院の説明もしました。
 後日、東京療院のK医師の「心と体の健康づくり」をテーマとした講演があり、私はAさんと二人で参加しました。Aさんは療院や岡田式健康法について理解を深められたようでした。
 平成20年2月、Aさんから「お花が好きでガーデニングも楽しんでいるの」「家に遊びに来ない?」と誘われ、訪問しました。家の前には森林が広がり、まるで軽井沢のような景色にびっくりしました。庭にはご主人が手入れされた植木があり、花や植物が大切に育てられていました。家の中に入ると、とても居心地の良さを感じました。
 そのとき、いつもお姉さんのように優しく接してくれていたAさんから、思いがけず、ご家庭の悩みを打ち明けられました。私は人ごととは思えず、”悩みが早く解決し、元気になってほしい”と思い、「東京療院へ行ってみない?」とお誘いしました。Aさんは少し戸惑ったようですが、「一度、行ってみたいわ」と言われました。

〔Aさんを東京療院や大仁瑞泉郷へ案内する〕

 6月になり、私はAさんを東京療院に案内しました。Aさんは診療部門で医師の診察を受け、健康法部門で岡田式健康法を体験されました。
 浄化療法を受けると、「少し重だるかった体が楽になった」「ボランティアの方々のやさしさに心が癒された」と言われました。芸術ルームでは、お抹茶をいただいてから、一輪のお花をじっくり見てからいけておられました。その後で、「いけたお花をしばらく眺めていると、生き生きと輝いて見え、ふわっとした花びらが”もっと肩の力を抜いていいんだよ”と語りかけてくれているように感じた」と、ほろっと涙を流されていました。その姿を見て、私は光輪花クラブの受講を勧めると、Aさんは9月から準備や後かたづけのお手伝いとして参加されるようになりました。
 また、私は”AさんにMOAについてもっと知ってもらいたい”と思い、自然農法実施圃場のある大仁瑞泉郷の話をすると、「私も行ってみたいわ」と言われ、11月に一緒に行きました。大仁瑞泉郷では、スタッフのわかりやすいオリエンテーションがあり、自然農法や花卉栽培に関するパネルも展示されていました。Aさんは奥熱海療院の見学や岡田式健康法の体験と受講もでき、とても喜ばれました。”スケールの大きな構想のもと、素晴らしい自然の中で事業が展開されている。こんなすごいことに自分も関われるのなら・・・”と思われたそうです。
 その後、Aさんは、健康増進セミナーにも参加し、スライドを交えて、MOAの願いや健康生活ネットワーク(以下、ネットワーク)の説明を聞き、「私もネットワークの仲間に入れていただきたい」と、12月にMOAの会員登録をされました。
 Aさんは毎月のように東京療院へ通う中で、平成21年12月には、ご主人と息子さん(長男)と親子3人で大仁瑞泉郷へ行かれました。ご主人も息子さんも大変喜ばれ、その後、息子さんが自動車教習所に通うようになり、免許を取得することができました。

〔浄化療法3級療法士として〕

 Aさんは”自分も家族やお友だちに施術してあげたい”と、平成21年2月、ほかのMOA会員の方とともに浄化療法3級講座を受講し、資格を取得されました。
 4月、Aさんと私と一緒にいたMさん(60代、女性)が突然「目が見えにくい!」「めまいがする!」と言って、うずくまってしまいました。Mさんは片方の目が白内障になり、手術を受けて眼内レンズを入れていましたが、その不具合が生じたためのようでした。すぐにAさんと一緒に浄化療法を施術すると、20~30分ほどしてMさんの症状が楽になり、気持ちも落ち着かれました。Mさんはその変化に感激し、浄化療法にも興味を示されるようになりました。
 このようなことから、Aさんと一緒にお友だちの浄化療法による変化を互いに確認し、人が幸せになっていかれる姿を心から喜び合うことができるようになってきました。Aさんはご自宅でも浄化療法を施術し、「家庭が明るく和やかになってきた」と喜ばれています。
 その後、平成22年2月、Aさん、Mさんと私の3人でMOA美術館「所蔵 名品展-国宝 紅白梅図屏風-」へ行きました。お二人ともその素晴らしさに感動し、「3時間では見きれなかった。またゆっくり来たい」と言われました。
 その帰りの電車の中で、Mさんが二人の息子さんに関する深刻な悩みを吐露されました。すると、Aさんは「自分のように良くなってほしい」と話され、私と二人で大切に見守っていくことを約束し、Aさん宅を中心にMさんへ浄化療法を施術することになりました。
 ちょうど「傾聴」に関するセミナーに参加したあとでしたので、Mさんの気持ちを察しながらお話をうかがいました。そして、Mさんは継続して浄化療法を受ける中で体に変化を感じ、「自分も人にもできるのなら」と、MOAに会員登録されました。
 平成22年3月、私の母が乳がんであることがわかりました。母は手術までの半年間にわたって検査と抗がん剤治療、11月に手術、平成23年1月から放射線治療を受けました。
 その間、東京療院と連携しながら、母は所属するC市のネットワークのみなさんから浄化療法を受ける中で、健康を回復することができました。また、自分のことのように心配してくれるAさんから、母と私も浄化療法を受けることができ、本当に心強く思いました。

〔脳腫瘍を患ったYさんの改善〕

 また、平成23年5月、私の所属するF市のネットワークのYさん(70代、女性)は、右耳が腫れて耳鳴りが続いていたため、近所のかかりつけの内科医院で診てもらったところ、「総合病院で検査を受けるように」と言われ、紹介状を出されました。総合病院でCT検査を受けると、右側の脳に腫瘍が見つかり、医師から「手術が必要」と言われました。この話をYさんから聞き、私も大変なショックを受けました。
 しかし、悩んでいても仕方ないと思い、東京療院への「相談シート」を活用し、相談窓口に問い合わせを行い、Yさんへの施術に関するアドバイスに従って、浄化療法を施術していくことにしました。同時に、Yさんは東京療院の診察の予約を取ることができました。
 当日、私はYさんに付き添って東京療院へ行きました。Yさんは診断書と検査データを持参し、K医師から診察を受け、治療法について説明していただきました。そして、岡田式健康法の取り組みについて意見をうかがうと、「手術後はもちろんですが、手術前にも浄化療法をしっかり受けておくと、回復が早いようですよ」と言われ、食生活や運動面のアドバイスもいただきました。その後、Yさんは週3日間(月、水、金曜日)通って浄化療法を受けました。
 7月、Yさんの手術は無事に成功しました。Yさんが退院してから、私はネットワークのみなさんと思いを一つにして、浄化療法を継続して施術しました。
 Yさんは症状の厳しいときもありましたが、10月、東京療院でK医師から診察を受け、「無事に手術が終わったのですね」「よく頑張りましたね」「顔の表情がとても明るい」「順調に回復しています」と言われました。
 11月、Yさんは、これまで家庭の事情もあり、数十年にわたって外泊が難しい状態でしたが、今回の病気をきっかけに、家族の理解も得られ、東京療院に入院されました。
 その後も、Yさんは3ヶ月に一度、東京療院に入院し、大病したとは思えないほどに日常の生活ができるようになられました。そして、「この喜びを他の人にも伝えていきたい」と張り切られているYさんの姿を見て、私は改めて浄化療法の素晴らしさ、継続して施術することの大切さを実感しました。

〔人や社会のためにつくす喜びをもって〕

 平成23年9月、Aさんに東京療院での療法士のボランティアの話をすると、すぐに申し込まれました。Aさんは3人の方に浄化療法を施術し、「相手の方が笑顔になり、その方から感謝の言葉をいただいて嬉しかった」と喜ばれました。
 このように、Aさんは岡田式健康法によって心身の健康を回復し、家庭も変わる中で、療院の療法士としてハツラツとボランティアをし、「悩みを抱えているお友だちに岡田式健康法を知らせ、その方々の幸せのために浄化療法を施術してあげたい」と言われています。
 まさに、岡田茂吉先生の論文「私というもの」の中の、人を幸福にすれば、自分も幸福になる、という考え方そのままに、人や社会のためにつくすことが喜びとなり、楽しんでボランティアをされているAさんの嬉しそうな顔を見ると、”私も頑張ろう!”という励みになっています。

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