糖尿病が「サポートプラン」で改善されていく

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石川県  I・Tさん(71歳、女性)

〔肺炎時に糖尿病が発覚する〕

 私は夫の左官仕事を手伝っていて、いつも一緒に働いていました。平成13年頃からは家にいることが多くなりましたが、体を動かして働いている時と同じように、間食の多い食生活をしていました。
 平成18年頃より、52kgあった体重が46kgになっていることに気づきました。喉も乾きやすくなって、水分を摂ることが増えました。今、思えば糖が出ていたのでしょう、トイレにアリが出るようにもなっていました。親や妹が糖尿病になっているので、“私も糖尿病なのかな”と気になっていましたが、病名を言われるのが怖くて、病院を受診しませんでした。
 平成19年2月に肺炎を起こして、総合病院に入院した時、糖尿病と診断されました。食欲がなかったのでご飯を食べずに片栗粉と砂糖をお湯で溶かしたものを飲んでいたせいで、入院当初の検査ではヘモグロビンA1c値が13.0%(基準値:4.4~5.8%)でした。3日ほどインスリンを打っていただくと7.5%まで戻り、肺炎も1週間ほどですっかり良くなり、無事退院しましたが、私は“糖尿病はほっとけないな”と思い、それからは地元の診療所でお世話になりました。

〔安定しないヘモグロビンA1c値〕

 診療所には毎月定期的に受診して、錠剤の薬をいただき、管理栄養士の方から食事指導を受けました。それでも平成20年はA1c値が低い時は7.1%で、高い時は9.6%、平成21年1月の検査では10.7%まで上がってしまいました。
 診療所の主治医から、今までの薬に加えて、糖の吸収を遅らせる薬をいただき、朝昼晩の食前に飲みました。すると、今度は便秘が酷くなり、オナラも止まらなくなりました。薬を変えていただき、便を柔らかくする薬もいただいて、ようやく落ち着きましたが、肺炎後からこのように体調を崩すことが増えたことで、不安に過ごす日が多くなりました。
 平成21年5月より、地域の健康生活ネットワークの方々が毎月、金沢療院療法士ボランティアや研修に行くことを知り、研修に合わせて私も金沢療院に連れて行っていただき、受診するようになりました。
 薬を飲むようになってから体調が悪くなったような思いもありましたので、診察をしていただいた時に薬も見せて相談しました。院長先生によると、高齢になると内臓の働きが悪くなって、食べたものの栄養が吸収されずにそのまま出てしまうそうです。「糖の吸収を遅らせてインスリンをしっかりと働かせ、内臓に栄養がいくようにしているそれほど強くない薬ですから、心配ないですよ」と言っていただいたことで、より安心して飲み続けることができました。
 金沢療院に行くたびに岡田式健康法を体験しました。浄化療法を受けると、時々ある背中の痛みが和らぎますし、お花をいけたりお抹茶をいただくと、心が落ち着きますので、毎月受診したいと思っていました。
 しかし、私の住む地域は「ころ柿」の生産地として有名で、11月と12月に「ころ柿づくり」の繁忙期を迎えることもあって、療院の受診は続かなくなり、平成21年の夏から冬にかけてのヘモグロビンA1c値は、7.0%~9.2%の間を上がったり下がったりと安定しない状態が続きました。

〔「糖尿病の研究対象者になって欲しい」とお願いされる〕

 平成22年3月、地域の健康生活ネットワークの方々が、毎週木曜日に浄化療法を受けられる施術日を設けられましたので、そこで受けるようにもなりました。
 符節を合わせるかのように、金沢療院から「岡田式健康法研究会の研究対象者になって、1年間、糖尿病の改善に取り組んでみませんか」という連絡をいただきました。私は少しでも改善が図られればとの思いで、快くお受けしました。
 手続きのために金沢療院に伺い、診察や検査を受けました。また、心身の健康を願いに医学的なアドバイスに加えて、岡田式健康法に基づく健康づくりのための具体的な「サポートプラン」を療院で発行していると伺い、私もお願いしました。
 平成21年に開催された「岡田式健康法研究会」のDVDも見ました。金沢療院の院長先生も発表されていて、糖尿病の患者さんが改善に向かった事例を聴きました。ビデオを見ていると、何としてでも病気を改善しようという自分自身の思いが充分でなかったことを反省しました。また、大袈裟かも知れませんが、私は糖尿病が“自分だけの病気でない”といった思いが出てきて、“一人でも多くの人が助かるために研究の役に立たなくては”という思いが少しずつ高まってきました。

〔金沢療院の「サポートプラン」〕

 夫や地域の健康生活ネットワークの方々にも療院の研究対象者になったことを理解していただき、金沢療院とネットワークが連携して糖尿病に取り組むという形で、平成22年4月から研究がスタートしました。
 間もなくして、金沢療院からサポートプランが届きました。院長先生からはヘモグロビンA1c値が安定していることと、地元の診療所にもちゃんとかかるようアドバイスがありました。岡田式健康法については、浄化療法では両肩、膵臓から肝臓周辺の背面部、腎臓周辺の背面部の3箇所を重点的に受けるように、美術文化法では「花を見て気持ちを明るく、気分転換しながら過ごしましょう」と書いてありました。
 食事法では、手続きの時に行った血液検査結果では、中性脂肪が239mg/dl(基準値:30~149mg/dl)と高めだったので、甘いお菓子や果物の摂り過ぎ、ジュース類、植物油の過剰がないか注意すること、ムラ食いを注意して決められた時間に3食を摂ること、海藻類やきのこ類など食物繊維の多いものを毎食小鉢2つ分は食べること、HDL値が27mg/dl(基準値40~90mg/dl)と低いことから運動を増やすことなどの具体的なアドバイスが書いてありました。
 また、研究対象者の手続きの際にライフコーダという万歩計のような機械を受け取りました。サポートプランでは作業療法士の方から、日によって運動のムラがないように毎日1万歩以上の歩行、雨の日は1日3回10分ずつの運動を心がけるようにとのアドバイスが書いてありました。
 このサポートプランに基づいて生活をするにようにしました。健康生活ネットワークの方々が毎週木曜日に開いている浄化療法施術日に行った時は、サポートプランの用紙を見せて、重点箇所を施術していただきました。家の食事についても、食事指導に基づいた献立を心がけました。運動は1日1万歩とのアドバイスがありましたが、普通の生活をしているだけでは、なかなか達成できず、足りない日は近くの県道を散歩して、できるだけたくさん歩くようにしました。
 サポートプラン通りにすることは、それほど大変ではありませんでした。“研究対象になったからには一生懸命やらなきゃ”という気持ちと、“これを機に何とかして良くしなきゃ”という気持ちでいっぱいでした。

〔数値の変化〕

 金沢療院には、毎月行って血液検査や血圧の検査、ライフコーダなどのデータを取っていましたが、7月にも療院からサポートプランをいただきました。そこには、「採血データは順調に改善してきている」と書いてありました。ヘモグロビンA1c値は4月の7.5%から7月は6.4%に下がり、空腹時の血糖値も4月の136mg/dlから7月は119mg/dl(基準値60~109mg/dl)となっていました。
 中性脂肪も239mg/dlから203mg/dl(基準値150mg/dl以下)と下がっているものの、まだまだ高いので夕食や就寝前の食べ方に注意するようにアドバイスされました。運動も平均8000歩以上と努力をしているので早く歩くなど運動強度を高めることをアドバイスされましたが、握力やバランス機能が若干改善していること、QOLの数値も改善していると書いてありました。
 9月に地元の診療所を受診した際には、主治医の先生から「ご褒美を上げる」とヘモグロビンA1c値の検査結果をいただきました。さらに、「どうしてこんなに数値が良くなったの?」と聞かれました。私はその書類を見て驚きました。
 ヘモグロビンA1c値が、金沢療院の糖尿病研究対象者となった4月より改善しているのが分かりました。4月は8.1%、5月は7.1%、6月は7.0%、7月は6.8%、8月は6.7%、9月は6.1%と、数字が着実に下がっていました。
 主治医の先生の問いかけに、私はすぐに返事をすることができませんでした。しかし、「どうしてそんなに数値が良くなったのか、食事のことなど管理栄養士さんに話をしてください」と言われた時、私はバッグに入れてあった金沢療院のパンフレットを渡し、サポートプランに基づいてこの半年間取り組んだことを話しますと、大変興味を示されました。
 10月26日、金沢療院で検査を終えて帰ってきた夜に作業療法士の方から電話をいただきました。「本当に頑張ったわね。ヘモグロビンA1c値が5.7%(基準値:4.4~5.8%)に下がったわよ」との言葉に、自分の耳を疑いました。実は9月に町の祭りがあって、あちこちで御馳走になって歩きましたら、10月の診療所での検査結果で、A1c値が6.1%(9月14日)から6.3%(10月12日)に上がっていたのです。その2週間後には5.7%まで下がっていたので、私は嬉しくて仕方なく、夫が帰ってくると「今日いいことがあったの、A1cが基準値まで下がったの」と伝えました。
 夫はこれまで、うす味の食事でも、ヘルシー過ぎる食事でも我慢して食べてくれました。時々、冗談で「俺は糖尿病じゃないぞ」と言われ、気をつけるようにしていましたが、私が「これは健康食。あちこちで脳梗塞になったとか話を聞くでしょ。食事が一番。年がいったら内臓の働きも弱くなるから、美味しいものは食べたいけれど、たまにしようね」と言うと、「そうだな。健康第一だな」と2人で笑っています。
 夫もお蔭さまで、まだまだ昔のお客様から電話があり、仕事を続けられています。それだけに、私もこの家庭を守っていくためにも、しっかりとした生活をしていこうと思います。

〔体の変化〕

 数値の改善もそうですが、体の変化もありました。肩や腰まわりを触ってみると、以前よりも柔らかくなっていることが分かりますし、体も軽く感じるようになりました。私はずっと左官の仕事を続けてきことで、手が薬品で荒れて爪は黒ずみ、両腕が重く感じることがありましたが、浄化療法を受けるとスーっと楽になり、50分ほど受け終わった後には体が温泉に入ったみたいにホカホカになるという体験もしました。
 このように、診療所の方をはじめ、療院と健康生活ネットワークの方々が岡田式健康法、食生活の改善、運動の実践をサポートしていただいたお蔭で、へモグロビンA1cの数値が改善されてきたものと確信しています。とても有り難く、感謝の思いでいっぱいです。療院に行くと安らぎを感じますし、素晴らしい所だなと思いますし、このように愛情を持って支えてくださったことは私にとって生涯の宝であると思います。

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