食事法を中心に子どもたちのアトピー性皮膚炎に取り組んで

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北海道  S・Nさん(36歳、女性)

〔改善の道が見えず戸惑う日々〕

 平成11年、生後3ヶ月の長男にアトピー性皮膚炎が発症しました。私は看護師の経験があり、医療現場で、アトピーの改善は食事療法が一番効果のあることを感じていました。また、人間に本来備わっている自然治癒力を発揮させることも大事だと感じていましたので、治療を受けつつ、岡田式健康法食事法浄化療法で取り組んでいきたいと思いました。
 食事法については、MOAオレンジハウスを利用して自然農法で作られた素材を使った調味料や地元の農産物を買い求めました。浄化療法は、私たち夫婦のほかに、隣町に住む私の実母も施術に来てくれました。実母は仕事や家事の合間を見て、長男へ浄化療法を施術してくれたり、私のことも心配してくれたりと、いろいろと気遣ってくれました。
 浄化療法をすると、その晩は寝つきが良く、症状も軽減しています。病院で処方されるステロイドは即効性があって、数日間は症状が治まるのですが、その後は以前よりさらにひどい炎症が起きるという繰り返しでした。
 なかなか改善の道が見えない状況に戸惑いを隠せませんでした。食事法も経済的な理由から継続することが難しい状況でした。また、夫もいつしか長男に浄化療法をしなくなりました。
 そのような状況が続く中で、平成13年に二男、その翌年長女を出産いたしましたが、2人とも2歳になる前にアトピー性皮膚炎を発症しました。
 3人の子どもをお風呂に入れるたびに、剥がれたかさぶたが湯船の底に黒く溜まりました。激しいかゆみで眠れない日が多く夜泣きが絶えず、私たち夫婦は1日交代で、一晩中子どもの体をさすってあげました。
 子どもたちも大変ですが、私たちも気がおかしくなりそうでした。睡眠不足から始まり、徐々に生活スタイルが悪循環に陥って、平成16年の夏には私たちのストレスは限界を迎えました。夫が悪いわけでも、私が悪いわけでもないと分かってはいても冷静になることができず、お互いを責め合うようになり、一時は離婚問題にまで発展しました。子どもたちのつらさをどうすることもできない無力感にさいなまれ、心もすさんでいきました。

〔心を入れ替えて自然食を軸とした生活に取り組む〕

 子どもたちはおろか家庭崩壊に繋がる危機を感じ、このままではいけないと思い直し、あらためて食事法を徹底していこうと決意しました。
 経済的な負担を軽減するために、私は看護師の資格を活かして、病院でパートをすることにしました。そのお蔭で食事法を継続できるようになり、食材や調味料のほか、おやつも自然農法の素材を使用したものに切り換えました。
 実母が子どもの世話を協力してくれましたが、実父も自ら自然農法を始めてくれて、新鮮な旬の農作物を届けてくれました。こうしたお蔭で私たちの食生活も生活リズムも安定して、子どもたちのアトピーも日一日と症状が治まっていくのが分かりました。手応えを感じて、これで良くなるという気がしました。
 そんな平成16年の暮れ、夫が仕事中に高所から転落してしまい、右ひざを複雑骨折してしまいました。全治3ヶ月で主治医からは後遺症も残ると言われていました。
 しかし、夫は医者が驚くほどの回復ぶりで、全く後遺症もありませんでした。夫は「鎮痛剤で痛みが和らぐ時よりも、浄化療法を受けた方が痛みとともに心も和らいで不思議だった」と言い、「本当に浄化療法はすごいよね」と言っていました。
 また、夫は幼少のころから偏頭痛もちでひどい時には嘔吐するほどだったのですが、退院後、浄化療法と自然食を継続することで、偏頭痛がなくなり、30年も手放せなかった頭痛薬との縁が切れたと喜んでいました。義母も「あなたが食事などに気をつけてくれたお蔭よ」と感謝の言葉をかけてくれ、とても嬉しかったです。
 この出来事がきっかけで、夫も義母も以前より協力的になってきました。義母からは「札幌でアトピー性皮膚炎に対してとてもいい助言をしてくれる栄養士がいるから、相談にいってみたら」と薦められました。私は以前より、一度札幌療院のクリニックで受診したいとも思っていたので、義母からの薦めに感謝し、早速、夫の休みを利用して片道6時間かかる札幌に向かいました。

〔アトピー性皮膚炎の改善に道がつく〕

 札幌に行って、一番力になったのが栄養士の方からのアドバイスでした。なるべく地元で採れた新鮮な食材を選ぶことはもちろん、どのように食べるかについても丁寧に教えていただきました。以来、わが家ではご飯や野菜が多めのメニューで、うす味に心がけるようにしました。また、あらかじめ保育園や小学校から給食のメニューを教えていただき、同じ献立で自然食のお弁当を持たせました。また、札幌療院のアドバイスに基づき、家族や地域のMOA健康生活ネットワークの方々から継続して浄化療法を受けました。
 それから2年後の平成19年夏、保育園に通う二男が、顔などに激しい炎症を起こすようになりました。これまで比較的症状が落ち着いていただけにショックでした。もうどうしたらいいのか分からなくなることがありました。
 そんな自信をなくしていた私を支えてくれたのは健康生活ネットワークのみなさんでした。みなさんは、子どもたちのことはもちろん、私にも心を込めて浄化療法を施術してくれました。いろいろと悩みを聞いてくれたり、心の持ちようについてアドバイスもしてくれたりして、徐々に私の気持ちは軽くなり、元気を取り戻すことができました。
 それから数ヶ月経った平成19年末、長男は発症以来9年ぶり、長女は3年ぶりに炎症が治まりました。翌20年の夏には厳しい状態だった二男の症状も落ち着きました。
 市販のお菓子などを食べてしまって炎症が起きることがありますが、短期間で治まるようになりました。子どもたちの改善は、表面的ではなく、自然治癒力が高まり、体質が根本から変わってきた結果だと感じています。
 今は3人の子どもたちも、夜はスヤスヤと眠りにつくようになりました。その穏やかな寝顔を見ているだけで幸せを感じ、夫も「今が一番幸せだね」と言ってくれます。
 長い間にわたってアトピー性皮膚炎の苦しみと、一時は家庭崩壊になりそうな状況から脱却できたことは言葉には言い表せないほどの喜びです。また、とかくお金さえあれば、何でも手に入れることのできる世の中にあって、家族をはじめ健康生活ネットワークのみなさんのボランティアがあってこそだと心から感謝でいっぱいです。
 現在、私は仕事の休みを利用し、健康生活ネットワークの方々と協力して、健康増進セミナーにボランティアとして参加し、私の体験を語りながら、具体的なアトピーに対する取り組み方を看護師や食育指導士の資格を活用してお伝えさせていただいております。

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