RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルケアクリニック 川野 泰周 副院長

自分を見つめるマインドフルネス

── 具体的にはどうすれば良いのでしょうか。
 そのための一つの方法がマインドフルネスです。これは、日本の禅を源流とした瞑想(めいそう)法によって自分の心を整える方法で、15年ほど前から欧米を中心に心理療法の一つとして注目されてきました。
 アメリカのIT企業では、いち早くマインドフルネスに着目し、社員にも勧めています。
 マインドフルネスは「今、この瞬間に自分自身の感じている感覚に注意を向けて、それがどんな状態であろうとも批判したり、評価したりしないで、受容する」ということです。もっと簡単に言うと考える状態から感じる状態に変えるということです。
 一番簡単なマインドフルネスの方法は、呼吸に意識を置くということです。呼吸瞑想といわれるものですが、背筋を伸ばして呼吸をしながら、例えば鼻の下で空気の出入りを感じたり、おなかが膨らんだりしぼんだりすることに注意を向けます。無理に深く呼吸しようとか長く息を吐こうとせずに、出入りする空気に注意を向けること、つまり考える状態から感じる状態へと変わることで、さまざまなことへの気付きが生まれます。
 自分自身の心の機微、物や周囲の人との関わり、大自然の中で生かされていることなどに気付き、そして他者や物、自然など全てに対して慈しみや感謝の念が高まってきます。

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