千葉・鋸山美術館でMOA美術館所蔵広重展

タグ:

千葉県富津市
コロナ禍に疲れた市民の癒やしにと

 5月22日から千葉県富津市の鋸山美術館で、同館の開館10周年を記念する「MOA美術館所蔵作品展 歌川広重展」が開催され、保永堂版「東海道五十三次」のうち41点を展示。多数の市民が、自然や天候の細やかな描写、街道を行く旅人の姿を描いた浮世絵版画を堪能していました。6月20日まで。
 東海道出発地の江戸「日本橋」、53の宿場、到着地の京都「京師」を描いた全55点を、前期後期に分けて展示。険しい山々が特徴的な「箱根・湖水図」、宿の客引きをユーモラスに描く「御油・旅人留女」、激しい雨の中を旅人が行く「庄野・白雨」などの他、江戸時代のお伊勢参りの道中日記(鋸山美術館蔵)、多色刷りの版木(復刻版・館山市博物館蔵)も展示されました。
 市内から訪れたという来館者からは「昨年の新型コロナによる延期以来、開催を心待ちにしていました。有名な作品を地元で鑑賞できて良いリフレッシュになりました」「旅人の姿が生き生きとしていて、私も旅をしている気分になりました」などの声が聞かれました。

 21日に行われたオープニングレセプションには、高橋恭市富津市長、齋藤泰彦(公財)岡田茂吉美術文化財団代表理事、中島宏平(一社)MOAインターナショナル理事長ら来賓約30人が参列。鈴木裕士(公財)鋸山美術館理事長は挨拶で、鋸山はMOAの創始者・岡田茂吉先生が昭和6年に訪れたゆかりの地であることを紹介し、まちおこし行事や台風災害のボランティアなど、地域に貢献するMOAのメンバーに感謝。美しいものを見ることで人間性が向上するとの岡田先生の哲学に触れて「優れた美術品の鑑賞が、コロナ禍に疲れた市民の心の癒やしになってほしい」と語りました。

 近隣の商業施設では、同展と連動したワークショップ「お花体験」を実施。訪れた人たちが足を止め、一輪の花を選んで手作り花器にいけ、自然美を心ゆくまで楽しんでいました。

あわせて読みたいコーナー

PAGETOP